ビットコインを理解するための3つの技術
ビットコインを理解するのは容易ではありません。しかし、 ビットコインに投資する前に、仕組みについて最低限理解すべきです。投資するのであればビットコインは税金が高いためトレーディングではなく長期投資するべきだと思います。
長期投資をする上で重要なのは、投資対象への理解度や納得感です。ビットコインが何等かの理由で大幅下落したとき、その人の心の持ちように大きな影響があるからです。一時的な下落で投げ売りするようでは、資産形成は出来ません。
ビットコインの仕組みについて最低限理解しなければならないのは、次の3つの技術。
実は、この3つの技術のうち、ビットコインのコインの革新的アイディアは3)複雑な計算をする「プルーフ・オブ・ワーク」です。 1)と2)はすでに確立されていた技術の応用にすぎません。
プルーフ・オブ・ワークはビットコインのセキュリティの根幹をなす仕組みとなっています。
これから3つの技術について、わかりやすく説明します。
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1)高度な暗号技術
ビットコインは仮想通貨であり、デジタル・データでできているため、最も困るのが、同じデータを使って2度目の支払いを行う2重使用や偽のデータにより支払いを行うことです。こうした不正使用をふせぐために、ビットコインでは、暗号技術を利用しています。
この問題は「電子署名」という技術で、解決されています。電子署名は、電子的な記録に対して行われる電子的な署名のことであり、紙の書類における署名な捺印に相当する機能を果たすものです。
電子署名はビットコイン以外でも身近なところで使われています。例えばURLの先頭には「http」や「https」が使われていますが、「https」の「s」は「Secure(セキュア)」の略で「鍵が掛かって安全」という意味でSSL暗号化通信が使われています。アマゾン等の通販サイトにログインすると「https」になっているはずです。このように、いたるところで暗号技術は用いられています。
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2)二重使用を防ぐ「ブロックチェーン」
取引をP2Pネットワークで維持するブロックチェーンに記録する
ビットコインでは、「ブロックチェーン」という基幹技術を使っています。これは、一定時間の「取引の束」(これを「ブロック」と呼びます)を時系列でチェーンのようにつなげて記録していく仕組みのことです。
ビットコインの取引を書き込む「台帳」がチェーン状に連なっていくことから、このように呼ばれます。
この「ブロック」を参加メンバーがお互いに正しいものであるとして次々に承認しあうことにより、データの改ざんによる偽造や二重使用ができない仕組みとなっています。
ビットコインでは、記録の維持を、特定の管理主体が行うのではなく、コンピュータの集まりが行います。この集まりをP2Pと呼ばれます。
P2Pとは
P2Pとは、サーバー(中央のコンピュータ)が存在せず、個々のコンピュータが対等の立場でインターーネットを通じて直接接続し、データを送受信するネットワークです。
身近なところでは、SNSの「LINE」でもP2Pの技術が利用されています。
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3)複雑な計算をする「プルーフ・オブ・ワーク」
ブロックチェーン改ざん防止のため、プルーフ・オブ・ワークの計算を課す
「プルーフ・オブ・ワーク」はビットコインにおいて偽造や二重使用を防止するために取引を承認していく中心的な仕組みです。
膨大な計算量を必要とする作業を成功させた人が取引の承認者となり、新たなブロックをブロックチェーンに繋ぐ権利を得られる仕組みのことです。
まとめ
3つの技術、1)高度な暗号技術、2)二重使用を防ぐ「ブロックチェーン」、3)複雑な計算をする「プルーフ・オブ・ワーク」について簡単に説明しました。ビットコインのコインの革新的アイディアは3)複雑な計算をする「プルーフ・オブ・ワーク」です。
1)と2)はすでに確立されていた技術の応用にすぎません。
プルーフ・オブ・ワークはビットコインのセキュリティの根幹をなす仕組みとなっています。
【ご参考】
ビットコインの出発点のなったサトシ・ナカモト論文。これだけでビットコインの具体的な仕組みは分かりませんが、一読してみるのは良いかもしれません。