ビットコインのボラティリティの大きさは信頼性の証
ビットコイン(BTC)はしばしば価格変動(ボラティリティ)が大きすぎることが批判の対象になります。批評家は価格変動が大きいため価値の保存手段になりえないと主張します。
「僕はその考えは間違いで、価格変動(ボラティリティ)の大きさは信頼性の証でもあると考えられます。」
国際金融のトリレンマから、その理由を説明します。
- 自由な資本移動
- 為替相場の安定性
- 金融政策の独立性
という3つの目標を同時に達成することはできず、このうち2つの目標しか選択できないことを意味します。ビットコイン(BTC)は下図では「C」に位置します。
B:ドルペッグ下の中国
C:日本、米国、イギリス、ビットコイン(BTC)
国際金融のトリレンマから、ビットコインのボラティリティは金融政策の自然な結果であると説明できます。
国際金融の歴史
ここで150年の国際通貨の歴史を簡単に見てみます。大きな流れは国際金融のトリレンマで説明するとこのような流れです。
A:金本位制(固定相場制+自由な資本移動)
19世紀は金本位制を用い兌換銀行券により物価を安定させていました。各国が、金の一定量に対して自国通貨の交換レートを定めました。
B:ブレトンウッズ体制(固定相場制+独立した金融政策)
1944年にブレトンウッズ協定が結ばれ、各国通貨は基軸通貨のドルとの固定相場制となりました。
C:ニクソンショック後
ブレトンウッズ体制でのドル本位制は、1971年のニクソンショックによって終わります。アメリカが金とドルの兌換を保証できなくなってしまったためです。
現在は、ほとんどの国で自由な資本移動と金融政策の独立性を取った変動相場制を採用しています。
国際金融の歴史から、各国の金融政策は試行錯誤の結果、多くの国で固定相場制を諦め、自由な金融政策と自由な資本移動を選択していることが分かります。ビットコイン(BTC)のボラティリティの大きさは金融政策の自然な結果です。
ボラティリティは落ち着いてきた
ビットコイン(BTC)のボラティリティは設計上の自然な結果であると言えますが、とはいえボラティリティは小さくなる傾向にあります。2021年は年初から大きく動いているよにも見えますが、2011年から2014年の頃と比較しボラティリティは小さくなっています。 下図はBTC/USDの30日ボラティリティです。
結論
僕はビットコインは変動が大きくて当然の資産だと考え、日々の値動きに一喜一憂せずに長期保有する方針です。