ビットコインが通貨よりもゴールドに近いと言われる理由
ビットコインは通貨よりもコモディティに似ている
ビットコインはデジタルゴールドと呼ばれることがあります。
これはビットコインはゴールドと同じように、中央銀行のような特定の組織が発行する資産とは性質が違うからです。
「ドル」や「円」は経済状況にあわせて金融政策が行われますが、ビットコインには金融政策はありません。
各国の金利が歴史的水準まで低くなっている現在、金利の付かないビットコインやゴールドは注目されています。
「なぜ、ビットコインはゴールドと似ていて、デジタルゴールドと呼ばれているの?どのような共通点があるの?」
こういった疑問にお答えします。
ビットコインとゴールドの共通点
- 希少価値がある
- 偽造が出来ない
- 分割できる
- 採掘にはコストがかかる
- 劣化しない
1.希少価値がある
ビットコインもゴールドも埋蔵量に限りがあります。ビットコインは総発行数が2,100万枚と決まっています。
ゴールドはこれまで採掘した総量が約18万トン、これは競技用プール約3.8杯分の量に値します。そして地中の埋蔵量は、約5万トンと考えられています。同じように競技用プールに換算すると約1杯分しかない計算です。
2.偽造が出来ない
ビットコインは複製することは出来ません。ビットコイン帳簿は簡単に書き換えられないように暗号化されており、複製するには世界で動いているビットコインのコンピュータの計算能力を上回る能力が必要とされていて、最先端のスーパーコンピュータをもってしても計算することは不可能です。
ゴールドも同じように複製することは出来ません。偽物も出回っていますが本物であるかは確認できます。
3.分割できる
ビットコインは小数点以下8桁(0.00000001 BTC)まで分割できます。ゴールドも小さなく分割でき、価値の交換に使うことが可能です。
4.採掘にはコストがかかる
ビットコインの採掘にはプルーフ・オブ・ワークという数当てクイズに電気代と設備投資にコストをかけて採掘をしなければ新しく発行されるビットコインは手に入りません。
ゴールドも採掘するためのコストが必要なのは同じです。
5.劣化しない
価格変動はあるものの、チューリップや米のように枯れたり、腐ったり、劣化することはありません。ビットコインもゴールド価値貯蔵手段として有効です。
ビットコインとゴールドの異なる点
- 装飾需要はあるか
- 新しい機能の追加ができるか
- 歴史はあるか
1.装飾需要はあるか
ゴールドは装飾品として昔から利用されています。ビットコインは資産としての価値はありますが、ゴールドのように装飾品としての価値はありません。
ちなみにビットコインのバーチャルコインはありますが、あくまでもビットコインをイメージしたおもちゃでしかありません。
2.プログラマブルマネーであるか
ゴールドと違って、ビットコインはプログラミングによって新しい機能性を付け加えたりすることができます。機能性の一部を自動化することが可能なお金と言えます。
例えば、より早く安くビットコインを送金できるライトニングネットワークなどの技術開発が行われて進化し続けています。
4.歴史はあるか
ビットコインの誕生は2008年10月31日と言われています。サトシ・ナカモトとなる匿名の人物が、インターネット上に発表した論文をもとに、開発が始まりました。
ビットコインが初めて現実世界で通用する通貨として価値をもったのは、2010年5月22日のことです。フロリダのプログラマーがピザを購入したのが、初めて現実の「モノ」との交換に使用されたと言われています。
ゴールドの歴史は古く、紀元前6000年から5000年頃にはすでに「装飾品」として使われていた歴史があります。
ビットコインはデジタルゴールドなのか?
ビットコインがデジタルゴールドなのか、議論が分かれるところですが、このように両者を比べると、共通点があることは間違いありません。
現在、コロナ禍で各国が積極的な金融緩和と財政出動を実施しています。埋蔵量に限りがあるビットコインやゴールドは、政府が増発を続ける貨幣から、貨幣価値下落の逃避先として両社とも注目されています。